BIRDER6月号の見どころ

※定価改訂のお知らせ
平素より本誌をご愛読くださり、誠にありがとうございます。
本誌は2014年1月号以来、1,100円の定価を維持してまいりましたが、近年の用紙価格高騰などの影響、また一層の誌面の充実を図るべく、定価を見直す運びとなりました。つきましては、誠に恐縮ですが、本号(2025年6月号)より、以下のように改訂いたします。
●紙版 定価1,320円(本体価格1,200円+税)
●電子版 定価1,100円(本体価格1,000円+税)
今後ともより読み応えのある記事、美しい誌面を追求する所存ですので、ご理解を賜り、変わらぬご愛顧のほどをお願い申し上げます。
2025年5月 文一総合出版
特集【観たい!撮りたい!カワセミ】
BIRDER GRAPHICS 瞬撮 カワセミの“時”を止める

鮮やかなコバルトブルーとオレンジ色の体にまとうきらきらした水滴は、涼しげでありながら躍動感を感じさせます。このカワセミの絶品ショットを撮影したのは、SNSで野鳥の写真を公開している岡本幸太郎さん(@okamotokwasemi)。カワセミ特集にふさわしい、珠玉の写真の数々でグラビアを飾っていただきました。紙や色にもこだわったので、ぜひ実際の誌面で美しい写真の数々を堪能してください。さらに、岡本さんには、今月号の表紙もご担当いただいています!
意外と知らない!? カワセミの暮らし 大解剖

カワセミのかつての呼び名は“清流の宝石”。それもそのはず、下水道整備が今ほど進んでおらず、都会の水辺の水質が悪かった1960年代後半ごろは、山間部の清らかな流れの川まで行かなければその姿を見ることができませんでした。今では東京都内でも河川や公園の池などで簡単に見られるようになり、鮮やかな青色とずんぐりむっくりとした愛らしいフォルムからバーダーでない人をも惹きつけ、鳥見沼に引きずり込んでいくこの鳥ですが、水中に飛び込む前のしぐさ、よく見てみると嘴の形がとある鳥とほぼ同じ……!?など、よく観察しないと気づかないおもしろいポイントがいくつもあります。本稿ではそのポイントを科学ジャーナリストで都市鳥に詳しい柴田佳秀さんに解説してもらいました。
連載などの見どころ
『とことんペンギン』特別グラビア
氷雪の世界で生きるペンギンたち/草原の世界で生きるペンギンたち


来たる7月下旬に小社より発売予定の、「とことんシリーズ」第5弾『とことんペンギン』。本稿はその発売予告ということで、実際に書籍にも掲載予定の写真を含めた南極・亜南極の世界で生きるペンギンたちの珠玉の写真を、それぞれ「氷雪の世界で生きるペンギンたち」(中村惠美さん撮影)と「草原の世界で生きるペンギンたち」(岡田裕介さん撮影)として紹介する特別グラビア記事です。蒸し暑い季節となってきましたが、ぜひ涼しげなペンギンたちの写真に癒やされながら、『とことんペンギン』の発売もお楽しみにお待ちください!
南豪探鳥紀行 〜グールドの野望の足跡を辿る ①タスマニア島

本誌連載「鳥の来た道 〜進化の謎解きストーリー」でおなじみの川口敏さんによる、オーストラリア南部の探鳥紀行の模様をつづった全3回の特別記事です。今回の旅の目的地はタスマニア島。オーストラリア本土からタスマニア島までは240kmと、距離にして東京〜八丈島間(約285km)とほぼ同じで、北海道よりも小さな島でありながら、タスマニアオグロバンをはじめとした12種もの固有種の野鳥や、タスマニアデビルやカモノハシなどのユニークな動物たちが観察できるとても楽しい場所なのです。タスマニア島で川口さんが目にした生き物とは……!?美しいイラストもあわせてお楽しみください!
絶滅危惧の鳥、現場からのレポート

絶滅危惧の鳥の現状を伝える短期集中連載、ヤンバルクイナ編は今回が最終回です。保護施設での繁殖の試みと、生まれた雛を野生に戻すためのさまざまな取り組みを紹介しました。動物園とは違い、目的は野生に返して数を増やしていくことなので、人の声や姿を親鳥と思うことがないよう、雛の前では筆談をしたり、人間のシルエットを隠し、極力人間と接触させないなどの工夫をしています。そうして苦労して育てたヤンバルクイナも、危機感が乏しく生存率は高くなかったそうです。そこで、危機感を培うトレーニングをして、生存率は10倍に上げることができました。そうした活動が実を結び、ヤンバルクイナは「最悪の状況」は脱したそうですが、未だ安心とはいえません。
この連載で、鳥たちのシビアな現状について一人でも多くの人が知ってくれることを祈っています。
BIRDER2025年6月号特集目次

●カワセミの物件探し(一日一種)
●意外と知らない!? カワセミの暮らし 大解剖(柴田佳秀)
●日本のカワセミ類 出会い方ガイド
ヤマセミ(大竹伸知)
アカショウビン(大竹伸知)
ナンヨウショウビン(小林雅裕)
●都会のカワセミと田舎のカワセミ(大竹伸知)
●ヤマセミを「普通種」に戻すには 〜西中国山地の取り組み(上野吉雄)
●あこがれのシーンが撮りたい!カワセミ写真のトレンド(石田晋士)
今号はBIRDER Graphicsも特別3本立て!
●瞬撮——カワセミの“時”を止める(岡本幸太郎)
●氷雪の世界で生きるペンギンたち(中村惠美)
●草原の世界で生きるペンギンたち(岡田裕介)